2008/06/29 (Sun) 22:59
ぐるりのこと。

ぐるりのこと。


木村多江、リリー・フランキー、主演映画。

90年代が舞台の、法廷画家とその妻の話。

私は、この作品が「NEWS ZERO」で取り上げられているのを見て、監督が1年間鬱であったこと、リリー・フランキーが主演であることに興味をもち、珍しく映画館へと行きました。

考えるのではなく、感じる作品であったと思います。

淡々と流れる日常の日々の中にある感情の機微が描き出されています。
この中に描かれている人間のきれいな部分も、汚い部分も、壊れた部分もどの人間の中にもあるもんだと思います。
妻を思いやるコトバも、法廷にたつ殺人者のコトバも。

この作品によって何を感じるかは人それぞれであるとは思いますが、私が感じたのは「かっこつける」ということです。

こうであるべきと考えている自分、こうでありたいという自分、そしてそうであったりなかったりする自分。
生活している中で、背伸びして、肩張って、頑張ってしまうことってあると思うんですが、そうすることによって生きづらくなってしまうことってあると思います。
それを乗り越える姿が、この映画の中にはありました。

リリー・フランキーの演じるタクオは、それが全然なくってとても素敵な人物です。
彼が発する言葉もとても、素朴でよいものでした。
彼の生きる姿を感じに、映画館に足を運んでみてください。

2008/06/22 (Sun) 13:17
ぼくの靴音

拝啓 

堂本剛様

雨の多い梅雨の季節、いかがおすごしでしょうか。
きっと、仕事でお忙しい日々をお過ごしのことと思います。

私は、小学校5年生のとき、ブラウン管の中の貴方を見て、好きになりました。
小学校のころは、貴方の唄う歌ばかりを聴き、貴方の唄い方が好きで、
貴方の真似をしてよく唄ったものです。

それから月日が経ち、いろいろなものに出会い、貴方へ熱中することがなくなっていました。

そして、最近悩みと名づけようもない混沌の中で、私はふと貴方の雑誌でのインタビュー記事を読みました。

生きる意味が見つからないと、考えていた中で、以前買った貴方の本「ぼくの靴音」をふと手に取りました。

なぜか涙があふれました。
生きる意味を、ひとつ見つけられました。

こうであるべき自分と、本当の自分との葛藤を、コトバにして人に見られるのは時に恥ずかしく感じてしまうものですが、それをしてきた貴方の姿を文章から感じ取りました。

これを読んで、本当に救われました。
すごくいいタイミングだったんだと、いやきっとここ(この本の中)に答えがあると、感じたんだと思います。
私が、なぜ貴方を好きなのかもわかりました。
心のそこから、有難うございます。

今日も、貴方のコトバが音楽が誰かの支えになってくれればな、ということを願って。

敬具

P.S. 頑張りすぎてお体をこわされぬよう、お体にお気をつけて。

2008/06/14 (Sat) 21:25
パレード

パレード


吉田修一さんの小説です。

途中で携帯が鳴って返信とかしたけど、それに全然遮られることなく、没頭して呼んでしまった作品。
彼の作品では、「パークライフ」を読んだことがある気がします。

まず、買う前に持っていたイメージと作品の中味が全然違った。
買う前に、友人の感想とブックカバーについている解説を読んだんですが。
人によって受け取り方が違うということなんでしょうか。

さて、どんな話かというと、東京都内の2LDKに共同生活をする5人の話。
この5人は、恋人どうしでも、血縁でも、直接繋がりがあったわけでもないですが、共同生活をしています。
それが、それぞれの視点から5章にわたって話が展開していくというもの。

この小説について何か書こうとすると、どうしても遠まわしに書きたくなります。
これは、こういうことについて描き出しているんだー!というとするっと、手からすり抜けていってしまうような感じです。

だから、私が小説から受けた印象を書きます。

人って、ルービックキューブみたいなんじゃないのかと。
ルービックキューブは、買ったとき前面が各色きれいにそろってて、それをかちゃかちゃして、で、また各面色をそろえるっていうものですが。
このそろっているときのルービックキューブもあれば、色がバラバラのときもあれば、といったような。
このキューブの6面をカチャカチャして、人に見せている。
そんな感じでした。

この小説の好きなところは、登場人物のふと言うこと、とかふと考えること。
思わずしおりをはさんだ箇所は

―説明するのが簡単な関係なんて、あってもなくてもいいようなもの

というとこです。
また数年後読んだら、きっと違うことを思うのだろうな、ということで手元に置いておきたい一冊になりました。
あ、ルンルンな気分のときに読むのはおすすめしません(笑)

にしても、小説ってすごいなーとつくづく感じました。

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2008/06/11 (Wed) 22:49
風味絶佳

柳楽優弥さん主演で映画にもなった「風味絶佳」を収録している山田詠美さんの短編小説集が、単行本になっていたので、思わず買っちゃいました。
装丁が好きです♪

風味絶佳


て書いて気づいたけど、文庫本と装丁違う!

全6篇収録
「間食」、「夕餉」、「風味絶佳」、「海の庭」、「アトリエ」、「春眠」

どの作品にも、肉体技術を職業としている方が出てきているトコロが特徴。
土方、ゴミ収拾員、GSマン、引っ越し屋、下水処理員、火葬場職員
(最後のは、少し違うかも…)

山田さんの作品は、「ぼくは勉強ができない」「A to Z」「放課後の音符」「熱帯安楽椅子」「姫君」「24.7」「色彩の息子」「ラビット病」「チューイングガム」と挙げてみると結構読んでますが、今回のも良かったですwww


以下は、「風味絶佳」個々書評。


「間食」
1人の女性と生活しているが、外にも彼女がいるという男性の話。
山田さんの描く登場人物は、現実にいそうなんですが、独特。
この「間食」に出てくる“寺内”という人物がおもしろかったです。

「夕餉」
料理で恋人の体を作り上げるのに喜びを感じる不倫妻の話。
人の隠そうとしている格好悪いところを、さらっと書いてす。
わたしは、こーいうところで“山田中毒”です。

「風味絶佳」
本のタイトルになっている作品。
この本に収録されている作品で、一番POPで親しみやすいものだと思います。
作中出てくる世の中の常識でなく、自分の常識に基づいて生きているグランマという方の生き方に憧れます。恋人って必需品かぁ…。

「海の庭」
離婚した母が、実家で初恋をやり直す。それを見ている娘の視点から書いた話。
その子が母親の初恋の人に、気持ちを抱いているのですが、こーいう気持ちってあるよなーと感じました。

「アトリエ」
思い切り、人に頼らないと生きていけないような人物を描いた作品。
私は、この手の山田さんの作品は好きになれません。
きっと、この手の人間が好きではないとともに、羨ましいんだと思います。

「春眠」
好きな人が父親と結婚して、家族になってしまうという話。
主人公が自分に似ているなと、感じた。
格好悪い自分と周囲との間を生めるために体裁を整えようとするとこ。
ある程度みなさんこのような格好悪さは経験したことがあるのでは、ないのでしょうか。


これを見て、気になったのがあればどこの書店でも今、文庫本を置いているので、そこだけ立ち読みっていうのもよいかもです。というのも、一気読みというより、一日一編ずつっていうのが向いている本なのでは?と思うからです♪
キャラメルを食べた後のような感覚に浸れます。
ちなみに、私は最近この本を読んだ影響で「森永ミルクキャラメル」中毒です(笑)

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2008/06/08 (Sun) 13:22
鉄コン筋クリート

鉄コン筋クリート


松本大洋原作

日本、その昔ながらの街並みが残った宝島を仕切っている親を知らず、暴力とかつあげで生きている少年、クロとシロ。
と書くと、かなりギャングな映画かとイメージされそうですが、画のタッチと、現実的なクロと空想的な世界に生きるシロというキャラでそんなに血みどろなギャング映画ではないです。

そんあクロとシロが、宝島を商業的利益を求めて変えていこうとする町の外の大人から守ろうとする話。

とりあえず、とにかく見て損は無い映画!!!

この作品は、その技術的な面でのすばらしさで評価されていたように思ってたんですが、そこじゃなくって私はストーリーが素晴らしいと思いました☆

めーっちゃ個人的なことですが、私もう成人なんですが最近になって世の中の人間関係の裏みないなのをちょこっと垣間見て、大人になりたくないな、なんてピーターパンシンドローム的な症状に陥ってました(笑)
でも、この作品を見て何を信じたら生きていけるのかということを見つけられました☆

ただ、アクション映画でスカッとするのがスキだったり、空想的なこと、目に見えない善とか悪とか考えるのきらーいって方は話の展開にのめりこまないのかもって感じです。
でも、そんな方でも疾走感のある映像展開とかで楽しめるのかなって思いました。

私は、アニメーション映画はジブリかDisneyくらいしか見ないのですが、この作品を見てアニメーションだからこそ伝わるものがあるなーと感じました。
ただコトバで表現するだけじゃ、伝えきれないものを伝える力を感じました。
あと、この映画を成す1枚1枚のセル画を全部作る労力を考えると製作に携わった方々に敬服します。

普段、アニメは見ない、なんて方も是非☆

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